裁判の前段階−調停前置主義
双方の協議により離婚ができない場合、離婚のような家庭の事件においては調停前置主義がとられています。(家審17・18I)そのため離婚の請求には、まず、家庭裁判所に対して夫婦関係調整、離婚などの調停を申し立てなければならない。調停での証拠 調停では、話合いによる円満解決を目的とする手続きであるから、話合いの材料として資料を提出することはあるが、いわゆる立証の問題は生じない。
尚、調停を申し立てる際に、夫婦の戸籍謄本・住民票写しが必要となる。
訴状の附属書類
離婚訴訟を申し立てる際には、訴状の附属書類として、夫婦の戸籍謄本、調停を経ていることの証明書(調停不成立証明、取下証明等)が必要となる。夫婦の戸籍謄本は証拠としても提出を求められる。調停を経ていることの証明書については家庭裁判所から入手する。
離婚請求において立証すべき事実
裁判所の離婚のためには、離婚原因(民770I各号)を立証しなければならない。
有責配偶者からの離婚請求
有責配偶者からの離婚請求も可能であるが、これは、夫婦関係が実質的に破綻していることを根拠にしているから(積極的破綻主義)、民法770条1項5号の『その他婚姻を継続し難い重大な事由』として、長期間別居などにより、夫婦関係が実質的に破綻している事実を証明することになる。
有責配偶者からの離婚請求が認容されるには、婚姻関係における一切の事情を考慮して、信義誠実の原則に照らしてもなお容認されると判断されなければならない。判例が特に重視する要因は、長期の別居(同居期間との比較も判断要素となる)、離婚を認めた場合に相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に過酷な状態に置かれないこと、夫婦間の子、ことに未成熟の子の不存在(高校卒業程度で成熟と判断されることが多い)などである。
各離婚原因に共通の証拠
陳述書、日記、メモなどの主観的記録
不貞行為(民770I)を証明する証拠
・住民票写し(不貞行為の相手と同居している場合)
・不貞行為の相手の戸籍謄本(子どもがいる場合)
・子どものDNA鑑定書
・写真、録音テープ
・・社の調査報告書
・クレジットカードの利用明細書(飲食店、ホテル等の記録)
・弁護士会紹介の回答書、裁判所からの調査嘱託の回答書
-電話の名義人の名前・住所(各電話会社)
-宿泊記録(各宿泊施設)
-出入国記録(法務省入国管理局登録課記録調査係)
※法務省が照会・嘱託に応じるかどうかは事案によるため一概にはいえない。
3年以上の生死不明(民770I)を証明する証拠
・新聞記事(事故などのため生死不明になった場合)
・弁護士照会の回答書、裁判所からの調査嘱託の回答書
-家出人捜索願の受理日(各警察署)
※警察署が照会に応じるかどうかは一概にはいえない。
※家出の事実のみでは、生死不明までの立証とはならないことに注意。
回復の見込みのない強度の精神病(民770I)を証明する証拠
・診断書
・鑑定書
その他婚姻を継続し難い重大な事由(民770I)を証明する証拠
・診断書(家庭暴力の場合)
・写真(家庭暴力などの場合等)
・住民票写し(長期別居の場合)
